叛道はね、

観てないんだけどね、なんかスザクさん辛そうだから幸せな現パロ書きました!短い!
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『ランペルージさんちの今日のごはん』
現代パラレル
ナチュラルに同棲
 ルルーシュがこけた。このところ続いていた雪で、マンションから出たところの歩道が凍っていたそうだ。右手首を捻って全治一週間。包帯でぐるぐる巻きにされた様子は痛々しいが、なんか可愛い。
 うちの家事分担は得意科目で分かれている。ルルーシュは得意な料理と細かいところの掃除。僕は洗濯と大まかな掃除を。買い物は土日に二人で行ってまとめ買いして、荷物は僕が持つ。その日の仕事帰りにルルーシュが夕飯に足りないものを買い足してくる。毎日できる限り夕食は一緒に、というのがいつもの生活パターンだった。
「すまないなスザク」
「いいって言ってるだろ、それよりもっとひどい怪我にならなくてよかったよ。ルルーシュのことだから滑った勢いで車道まで転がって車にひかれちゃったかもしれないし」
「なっ、俺はそこまで鈍くさくないぞ!」
 うちの家事分担は流動的だ。僕がいきなり出動をかけられた時や、ルルーシュが激務で疲弊しているときは、出来る限り互いを支えようとするのは自発的な行動だから、苦ではない。
 というわけで、しばらく夕飯の担当は僕になった。
~ありものでお鍋~
「もう、いいから君は座ってて。鍋なら野菜切って土鍋で煮るだけだろ。僕にも出来る」
「本当に大丈夫か? 昆布で出汁をとれとは言わないから、せめてほんだしを」
「あー、もう君は座って本でも読んでて!」
 しぶしぶという様子でルルーシュはダイニングの椅子に座った。彼の指定席のベランダが見える席だ。いつも僕と向かい合わせで座る、二脚のダイニングテーブル。もうかなり使い込んでいるのを、天板の色で実感する。
 ルルーシュの後ろ姿も変わった。背筋がぴんと伸びているのは相変わらずだけど、線が更に細くなった。これはいけない。肉だ。肉を食べさせよう。
 冷蔵庫を開けてみる。半分使ってある豚肉の薄切りと、鳥ももが一枚。ルルーシュだったらどっちにするかな、と一瞬頭をよぎったけど彼には肉だ。肉が必要だ。両方ぶちこむぞ。
 魚はたらが二切れ。鍋に入った魚はおいしいよね。入れよう。
 野菜室には白菜とねぎとまいたけがあった。人参もちょっと加えたら彩りがよくなって褒められるんじゃないかな。じゃあこの豆苗とやらもいい色だから入れちゃおう。野菜たっぷりの方がいいもんね。
 野菜を適当な大きさにカットする。二人分って難しくて、ついついざるにいっぱいになった。
「きのこは水洗いするなよ」
「っ分かったよ……」
 ちょうど洗いながら小さく分けようとしていたところだった。危ない危ない。
「あと、豆苗の根本は残しておいてくれ」
「え? なんで。ゴミだよ?」
 ルルーシュが信じられないものを見るように振り向いた。
「もったいない! 豆苗は、復活するんだ!」
「ああ、この水耕栽培か……」
 うちのキッチンのカウンターの一角にはこの通りのルルーシュの趣味で成長中の緑が並んでいる。正直アボカドの種に根を生やさせてどうするつもりなのかは疑問だった。うちマンションだから庭ないし。
 さて、後は火にかけるだけ。確か白菜は根本が固いから先に入れておくはず。その間に味でもつけておこうか。冷蔵庫のポケットにあっためんつゆでいいや。めんつゆは何にでも使えるって聞いたことあるし。
 野菜を綺麗に鍋のふちから並べて、切った鶏と豚肉とたらはそのまま投入。蓋をして一煮立ち。なんか白菜の葉が綺麗な緑になったからこれでよし!
「ルルーシュ、できたよ!」
 ダイニングに運んでお箸やごはんを並べて。蓋を開けたらほかほかの湯気でその向こうにルルーシュが見えるのって、幸せの象徴かもしれない。
「ありがとう、スザク」
「じゃあ」
『いただきます』
ルルーシュは色々スザクにつっこみたいけど折角作ってくれたので全部飲み込みました。
二人とも四十五くらいで、ルルーシュが大学教授でスザクが消防士とか?
最近の大ニュースはルルーシュがちょっと老眼になったこと……とかいう平和なパロディで心を落ち着けた。理想はきのう何たべたのシロさんとケンジです。